yuki_hungaryの日記

旅行と生活のlog(にしたい)

【映画評】アメリカン・ハッスル 1/2

はじめまして。ブログを開設しました。


旅行紀や書評、映画評などを載せていく予定です。

文章を書き慣れないので乱文・乱筆、加えて長文になってしまうかと思いますが、少しでも立ち読みしてくれたらとても嬉しいです。




以下、映画評です。


感想が別れる映画ってありますよね。問題作って銘打たれた物とか、衝撃的な内容が含まれている物に特に多いんじゃないかと思います。


それっていうのも、映画のどこを測るか、物差しを当てる部分に人によってかなりの違いがあるから起こるのだと思っていて、それは本でも音楽でもゲームでも、エンターテイメント作品全てに等しく言える事だと思います。



前置きしておいてなんですが、本作はあまり評価が別れるような内容ではありません。

主人公の詐欺師アーヴィンと、その愛人シドニーがFBIに捕まりそうになるんですが、もっと大物を捕まえる手伝いをするから、今回は見逃してくれ!とFBI捜査官のリッチーに提案するんですね。でFBIはそれを呑んで、汚職政治家を挙げる為に奮闘する。

サスペンス有り、コメディ有り、裏切り有り、ロマンス有りのけっこうカオスな内容なんですが、これ実際にあった事件をベースにしていて、しかもその事件の内容がかなり破天荒なもんだから、映画として再構成するとかなりコメディチックに見えちゃうみたいな。息を呑むシーンもありますが、それでも全体に漂う空気は最後まで浮ついた喜劇のそれに近いです。


詐欺師アーヴィンは徹底して見た目に拘っていて、騙す為にはまず自分が良く在り、貴重な人材だと思わせる所から始めなければいけないという彼なりの哲学を持っている。溢れる自信を隠さない筋の通った人間です。


対して捜査官リッチーは、気に入らない上司とそりの合わない妻、出世できない自分とに板挾みにされて、それでも道を見つける為に日々もがいている三枚目役の印象を受けます。


愛人のシドニーはすごく艶っぽくて、髪を巻き、ドレスを着こなして常にアーヴィンと共に居るけれど、アーヴィンの本妻(別居して親権を争うような状況だけれど)を常に意識してしまっていて、元より情緒不安定気味な事もあり社交的にはなりきれない不器用な人。


アーヴィンの本妻の方はと言うと、シドニーに輪をかけて情緒不安定で超ビッチ。酒に溺れて息子が居る家庭で火事を起こしてしまうような、あまり信用されないような人です。終盤まであまり出てきませんが、野心家な振る舞いに隠して、アーヴィンにまた振り向いもらいたい。という気持ちを強く感じるナイーヴな人物です。


で、詐欺師と捜査官、愛人と本妻が交わってどうなるかって言うと、特に何も変わらないんですね。

詐欺師が悩みだしたりとか、捜査官がアーヴィンの哲学に触れて変わるだとか、愛人と本妻が理解し合うだとか、そういった事が一切ない。

一貫して個人が個人です。



そういう所がものすごく気持ちが良くて、物語を彩る70'sは名曲ばかりだし、それもアーヴィンたちの役回りの演出を買って出てくれるような使われ方をしている。全体に流れる空気が、正に僕の好きなそれでした。




僕は昔から一人で気分転換のために映画を見る事が多かったんですが、ここ最近は誰かと一緒に見て、そのあと感想を言い合える機会によく恵まれるんですね。

一つの映画を観終わって、「コレは面白かった。」「コレは合わなかった。」って自分の中で評価が下ったあとに、さて友達はどうだったろう。って、コーヒーなりお酒なり飲みながら話すんですが、自分とは評価が全く違う事が多いんです。


僕はけっこうひねくれた物の見方と考え方をしていて、嗜好もそれに表れるように偏る事が多いんですが、

ただそんな僕でも他人が作品の話をする中で共感できる部分っていうのはけっこうあって、本なり音楽なりゲームなり、人が論じているのを見聞きして、ああソレ分かるな。って思う場面もたくさんある訳です。

むしろ他人の感想に言いくるめられて自分に手のひら返しちゃう瞬間ってかなり好きだったりするんですが、

こと映画に関してのみ、共感や一度下した評価が動かされる事ってほとんどないんですね。


この差ってなんなんだろう。僕は何を基準にして映画を見ていて、なんで人に共感しないんだろうって最近しばらく考えていて、

考えていた時にこの映画を見たんですが、なんとなく分かったような、答え雲を掴んだような気にさせられました。



長くなりました。

続きは年が明けてから書こうと思います。

記事の最後まで見て頂いて本当にありがとうございます。

来年からよろしくお願いいたします。